モルタル調の仕上げは、コンバージョン建築やリノベーション物件において高い人気を誇ります。最近では、木や金属などの素材と組み合わせた空間デザインが増えており、その美しさと機能性が再評価されています。
そこで今回は、モルタルの特性と、モルタルの質感を活かしながら仕上材としても使用できるモルタル調仕上塗材『ファインモルタル』についてご紹介します。
モルタルの歴史と特性
モルタルの持つ柔らかな表情は、どんな空間にも調和し、昔から好まれてきた仕上げです。モノトーンの落ち着いた風合いは、主張しすぎることなく他の色を引き立て、空間全体の調和をもたらします。
モルタルは、近代に入ってからその耐火性の高さからも注目されるようになりました。
木造建築が火災に対して耐久性が劣ることから、西洋から輸入されたセメント系仕上材であるモルタルは、明治以降、広く使用されています。
また、モルタルは壁だけでなく、日本家屋の玄関土間床などでもよく見かけられます。
モルタルとセメント、コンクリートとの違いとは？
モルタルと聞くと、セメントやコンクリートを連想されるかもしれませんが、それらの違いは少しわかりにくいかもしれません。それぞれの違いは次の通りです。
| セメント | 石灰岩などを焼いて粉末状にしたもの。 |
| モルタル | セメントに水・砂を混ぜたもの。 |
| コンクリート | セメントに、水・砂・砂利を混ぜたもので、より強度を持つ。 |
モルタルは、従来は基礎などの下地材として使用されてきましたが、近年はデザインとして仕上げにも用いられることが増えてきました。
しかし、防水性が劣るため、ひび割れの可能性が高く、耐候性・耐久性が低いなどの理由から、本来モルタルはそのまま仕上材として使用するのに適していません。
モルタル風仕上塗材『ファインモルタル』
エスケー化研には、モルタルの質感を活かしつつ、仕上材としても使用できる製品として『ファインモルタル』があります。
ファインモルタルとは？
ファインモルタルは、マットで無機質なモルタルの質感を再現した内装・外壁に使用できる特殊なモルタル調仕上塗材です。シンプルな素材を手仕事で組み合わせることにより生まれる豊かな表情が、スタイリッシュな空間を創ります。
外壁でも使用可能
モルタル調仕上塗材にもかかわらず、外壁でも使用可能です。外壁の場合、トップコートに水性アクリルシリコン樹脂クリヤーを採用することで、高耐候性、低汚染性、耐久性に優れた塗膜を提供し、紫外線や降雨による劣化を抑制します。
シームレスな仕上げ
ファインモルタルは、連続性のある継ぎ目のない美しさを実現します。一体感のある滑らかな表面は、現代的なデザインに最適です。シームレスな仕上げは、高級感を醸し出し、建物や空間に洗練された印象を与えます。
豊富なカラーバリエーション（12色）
標準色は全12色。そのうち6色は独自のテラコッタの風合いを表現した色を設定しています。
全国で施工可能
メーカー施工であるため、職人技が求められるモルタル仕上げも、全国で高品質に施工できます。また、材料開発から自社で行っているため、高品質な仕様でありながら、採用しやすい価格設定となります。
ファインモルタル（内外装用特殊モルタル調仕上塗材）の施工例
ファインモルタルは、ビル、マンション、ホテル、店舗、戸建住宅などの内外装に幅広く使用されています。ここでは一部の施工例をご紹介します。
ファインモルタルの施工例①（宿泊施設）
ザ ロイヤルパークキャンパス 札幌大通公園
サステナビリティを念頭に置き、北海道産の木材を積極的に活用した国内初の高層ハイブリッド木造ホテルです。このホテルは、地域資源を活かし、環境に配慮し設計されています。内部デザインでは、モルタル調の仕上材が木の質感と美しく調和し、温かみと洗練された印象を同時に感じさせます。
ファインモルタル施工例②（商業施設）
アミュプラザみやざき
宮崎駅前に新たなランドマークが誕生。内装空間は、モルタル仕上げの技術を駆使して洗練された雰囲気を醸し出しています。モルタルの滑らかで均一なテクスチャが天井や壁に施され、現代的でシンプルなデザインが印象的です。
まとめ
ファインモルタルによるモルタル仕上げは、古くからの魅力を持ちながら、現代の技術とデザインの進化により、より多様な空間に適用できるようになっています。その自然な風合いと調和のとれた美しさは、どのような空間にもマッチし、コンバージョン建築やリノベーション物件においても、その価値はますます高まっていくことでしょう。
