打放しコンクリートは、その無機質でシンプルな美しさから、多くの建築家やデザイナーに愛されてきました。しかし、その美しさには「汚れが目立ちやすい」「補修が難しい」という悩みもついて回ります。
今回ご紹介するのは、これらのデメリットを解消し、コンクリートの美しさを再び蘇らせる新しい塗装工法「セラミRC-FR工法」です。
打放しコンクリートのメリットとデメリット
打放しコンクリートには、次のようなメリットとデメリットがあります。
打放しコンクリートのメリット
1. デザイン性
無機質でクールな美しさがあり、スタイリッシュな外観を実現します。
2. 耐久性
コンクリートは強度が高く、長期的に劣化しにくい特長があります。また耐震性にも優れているため、地震に対する安全性も高くなります。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
打放しコンクリートのデメリット
1. 汚れの目立ちやすさ
表面の汚れや劣化が目立ちやすく、ひび割れが発生することも多々あります。
2. 補修の難しさ
補修跡が目立ちやすく、コンクリートの風合いを損なうことがあります。
コンクリートの外壁に汚染などの劣化が見られた場合、従来は洗浄・下地補修後にクリヤー塗料、カラークリヤー塗料、撥水剤を塗布するなどの改修が一般的でした。
しかし、洗浄・補修を行っても、汚れの残存跡や補修跡が目立つケースがあり、どちらもコンクリートの風合いを消してしまうという欠点があります。
コンクリートの風合いを再現する「セラミRC-FR工法」
セラミRC-FR工法は、 打放しコンクリートの風合いを、塗装によって再現するという新しいコンセプトの工法です。
塗装工法ですので、下地を完全に隠蔽します。打放しコンクリートの改修はもちろん、新築の各種ボード下地(PC部材、押出成形セメント板等)にセラミRC-FR工法を施工することで、ボードを打放しコンクリートのように見せることもできます。
セラミRC-FR工法の特長
1. 美観性
独自のファンデーション技術で打放しコンクリートの素材感や模様を忠実に再現。10色のカラーバリエーションや、クリヤー仕上げなど、多彩な選択肢があります。
2. 作業性
既存のコンクリート下地を中塗り塗料で隠蔽するため、従来の方法と比較して下地補修が簡易で済み、工期短縮が可能です。
3. 高耐候性・中性化防止
トップコートにより、優れた耐候性を示し、紫外線や酸性雨による劣化、炭酸ガスによるコンクリートの中性化を抑制します。
セラミRC-FR工法の改修例
国立研究開発法人理化学研究所 研究棟
理化学研究所 研究棟の打放しコンクリートの外壁改修にセラミRC-FR工法が採用され、美観と耐久性の向上が実現しました。敷地内には、世界最高峰の大型放射光施設SPring-8とX線自由電子レーザー施設SACLA(サクラ)があります。
打放しコンクリートは、その無機質でクールなデザイン性、耐久性・耐火性・防音性の高さなどから、多くの建築物の内装・外壁に採用されています。しかし汚れが目立ちやすく補修が難しいという欠点もあり、従来の洗浄・補修方法では、汚れの残存跡や補修跡が目立ちコンクリートの風合いを消してしまうこともあります。
セラミRC-FR工法は、打放しコンクリートの美しさを蘇らせ、長期間にわたり維持することができ、打放しの補修・改修における新たな選択肢として、おすすめの工法です。