地震国日本では、外壁に陶磁器タイルや自然石などを使用することは、劣化と地震による大きな揺れなどによる剥落の危険性が高くなります。東日本大震災では、実際に多くの外壁タイルが剥がれ落下するなどの被害が出ています。
また、国土交通省では、定期報告制度が改定され、10年を経てからの全面打診確認が義務付けられるようになりました。
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建築基準法では、建築物の所有者、管理者又は占有者は、建築物・建築設備を適切な状態で維持保全し、定期的な調査・検査の結果を特定行政庁に報告することを義務付けています。これが「定期報告制度」です。平成20年4月に建築基準法施行規則の一部が改正され、定期報告制度制度の運用が根本的に見直されました。
マンションなどの特殊建築物については、外壁タイル、石貼り(乾式工法によるものは除く)、モルタル等の劣化及び損傷状況の調査方法が変更になりました。これにより、定期調査の際に異常※1があった場合は、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分については、全面打診等での調査が必要になりました。また、異常がなくても、竣工、外壁改修等から10年を経てから最初の調査の際に全面打診等による調査が必要になりました。
定期報告制度の改定や、安全に対する意識の高まりを受けて、外壁に使用する塗料などの建築仕上材には、より重要な役割が求められています。塗料や軽量のシート建材であれば、剥がれや落下などの危険性が少なくなりますので、今後の需要増が見込まれます。